破魔矢を男の子に買ってあげますか?飾る時期と片付ける時期はいつ?

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私は、長男が生まれた時に父(長男から見て祖父)から破魔矢を買ってもらいました。

「みんながやっているからうちの子にも」と言うような、あまり深く考えず「縁起物なんだから」と漠然としたものでした。

ノリ
最近、甥が生まれたので今さらながらですが、調べてみることにしました。

破魔矢は男の子に買うもの?

破魔矢とは

「破魔矢」とは

魔除けをするための矢のことです。正月の縁起物として、神社や寺院で授与されます。破魔弓(はまゆみ)という弓とセットにすることもあります。

 その他にも破魔矢は、

赤ちゃんの初めてのお正月を祝う「初節句の贈り物」とされたり、家を新築した時に鬼門(きもん)に向けて棟の上に弓矢をたてるという、棟上式に使用されたりしています。

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一般的に子どもが生まれて初めてのお正月に、

男の子には「破魔弓と破魔矢のセット」

女の子には「羽子板」

を、お祝いとして贈られます。

男の子には跡取りという考え方から「父方の実家」から、女の子には嫁に出すという考え方から「母方の実家」から贈られるのが一般的なようです。

しかし最近では、男の子ばかり生まれた、女の子ばかり生まれたなどとなり、どちらか片方の家ばかりが費用を出すと、片方に負担がかかってしまうので、両家で費用を折半したり、都市部ではパパママが自分たちで用意するケースもあります。

また、地域によっては破魔弓・破魔矢などを準備する風習がないところもあります。

ここ最近では、初節句で破魔弓・破魔矢まで飾ろうと思う人が減ってきているようです。

昔からあるお祝い事には何かしらの意味があり、破魔弓・破魔矢には「魔を破り、厄災を祓う(はらう)」「子どもが元気にたくましく育ちますように」という子どもの成長と幸せを祈る意味があります。

「うちのマンションは狭くて飾るスペースがない」、「金銭的に購入するのは厳しい」など、無理をしてまで買う必要はないと思いますが、せっかくの初正月なので、わが子の健やかな成長を祈ってお祝いしてあげたいものですね。

破魔矢の由来

昔から弓と矢は、「武勇を表し、邪気を払って目に見えない悪霊を退散させる力があるもの」という意味があります。

また、「人間には知ることができない方向や距離を判定する占いの道具」としての意味もあります。

そのため、神社などでは平安時代の頃から魔除けの意味で、弓矢を使用した破魔弓神事や、年占いの神事が行われていました。

この弓で射る的のことを「ハマ」、矢を「ハマ矢」、弓を「ハマ弓」と呼びます、後にこの「ハマ」という語呂に対し、鬼や悪魔を破り祓うという意味を兼ね合わせて「破魔」の字が使われるようになり、「破魔弓・破魔矢」と呼ばれるようになったようです。

また宮中では、皇太子のご誕生の際に、弓の弦を引いて音を立てることにより気を祓う「鳴弦の儀(めいげんのぎ)」が平安時代から取り行われるようになりました。

破魔弓・破魔矢は、赤ちゃんが生まれて初めてのお正月に贈られます。

この時期は十二支による暦の上で、「鬼門」という良くない結果が起こりやすい時期にあたります。

その時期を生命力の弱い赤ちゃんが無事に過ごし、乗り越えられますようにいう願いがこめられているのです。

また、これらの神事が広まって現在の形になったのは鎌倉以降。各地の城下町を中心に武家や豪商の間で破魔弓・破魔矢を飾って魔を祓い(はらい)、家内安全を祈るようになったのだそうです。

初正月に男の子をお祝いする風習は各地にもともとあったようで、それと男の子に「装飾した弓・矢」が結びついて、子どもの成長を祈り、破魔弓・破魔矢を贈る風習となったのです。こうして、破魔弓・破魔矢は男の子の初正月の縁起物として贈られ、飾られるようになったのです。

破魔矢の飾る時期と片付ける時期

破魔矢を飾る時期

破魔弓・破魔矢の飾り方ですが、

12月中旬から飾るのが良いと言われています。

これは、平安時代の頃から12月13日は「正月事始め」と言わていたことに由来します。この日はお正月に降りてくる年神様・祖霊を迎えるために色々な準備を始める日とされていたのです。

また、「一夜飾り」と呼ばれる大晦日に飾ることや、「苦立て」と呼ばれる12/29に飾ることは縁起が良くないので避けて、12月に入ったら早めに飾りましょう。

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破魔矢を片付ける時期

片付ける時期は小正月である1月15日頃が一般的です。

これは、「どんど焼き」という行事でしめ縄や松飾りなどのお正月飾りや、書初め、壊れた羽子板などを焼く習慣があったことに由来しています。そのため、15日前後の休日に片付ける方が多いようです。

私の友人はいつまでも出していて、親に「いつまで正月気分なの」って言われたようで、「縁起物だからずっと出していても良いじゃないか」と言いつつ、1月下旬頃に片付けていましたよ。

ちなみに、破魔弓と破魔矢は端午の節句(羽子板は桃の節句)にも脇飾りとして五月人形と一緒に飾ることができるので、もう使わないからとあまり奥底にしまわないようにすると良いと思います。また、片付ける場所は湿気の少ないところにしましょう。

地域によっては

地域によっては、子どもの初正月の場合は12月中旬から1月の下旬まで長く飾る方や、破魔弓・破魔矢は子どもの無病息災や魔除けを祈る縁起物ということで、1年中飾っておく方も見えます。

端午の節句の脇飾りにもなるので、12月中旬から出して、端午の節句の飾りと一緒に片付ける方もみえるようです。

地域の風習によって異なりますので、自分の母親や旦那さんの母親に聞くなどして、地域にあった方法で飾ってお祝いしてあげましょう。

お人形屋さんなどで聞くと、お正月や端午の節句の他にも、お誕生日や七五三、小学校の入学など機会があるごとに飾っても良いのだそうですよ。

何歳まで飾るの?

ところで、破魔矢はいつまで(何歳まで)飾って良いのでしょうか。

明治時代の始めくらいまでは、15歳前後を成人とみなす「元服の儀」を迎えるまで飾られていました。現在ではいつまで飾るものなのか年齢的な決まりはないようです。

◎女のお子さんをお持ちの方は、こちらが気になるのでは?

>>> 雛人形を飾る時期、片付ける時期は、この日!

ただし、この元服の儀が引き継がれたと考えられる「立志式(りっししき)」という15歳を迎えることのお祝いの儀式まで飾る地域もあります。

また、成人するまでということで、成人式まで飾る地域もあります。

特に決まりはないので、子どもが無事に成長したら、供養しても良いのではないでしょうか。

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お正月の破魔矢

そういえば、お正月の初詣にも破魔矢を授与しますよね。男の子が生まれた時に買ってあげる破魔矢とは何が違うのでしょうか。

鎌倉市の鶴岡八幡宮での破魔矢作りの様子です。


鶴岡八幡宮で破魔矢作り

お正月の初詣で授与される破魔矢との違い

まず、お正月の初詣で授与する破魔矢は、神社やお寺で授与しますが、男の子が生まれたときの破魔矢は、ガラスケースに入ったものを人形屋さんなどで用意するのが一般的です。

また、お正月の初詣で授与する破魔矢は「その年のお守り」なのでお役目は1年間なのに対して、男の子が生まれたときの破魔矢は、子どもの健やかな成長を祈って飾るものなので、特に期限はありません。

初詣で授与された破魔矢は神棚、床の間、玄関、リビング等に飾ります。向ける方角はとくにどの方角でも構いません。

凶の方角

凶の方角に矢の先を向けると、「凶を射抜く」という意味があるので、気にする方はその年の凶の方角(その年の干支と反対側の方角)に向けて飾るのが良いです。また、神様に矢が向かないよう、矢の先を天にむけないようにすることと、神様を見下ろさないように、頭上よりも高い位置に飾りましょう。

<凶の方角>

  • 2019年(亥年) : 150度=巳の方角(南南東)
  • 2020年(子年) : 180度=午の方角(南)
  • 2021年(丑年) : 210度=未の方角(南南西)
  • 2022年(寅年) : 240度=申の方角(西南西)
  • 2023年(卯年) : 270度=酉の方角(西)
  • 2024年(辰年) : 300度=戌の方角(西北西)
  • 2025年(巳年) : 330度=亥の方角(北北西)
  • 2026年(午年) : 360度=子の方角(北)
  • 2027年(未年) : 30度=丑の方角(北北東)
  • 2028年(申年) : 60度=寅の方角(東北東)
  • 2029年(酉年) : 90度=卯の方角(東)

役目を果たした破魔矢はどうするの?

 

お正月の初詣で授与した破魔矢は、古いお守りを納める「納札所」などがありますので、そちらに納めます。なければ社務所に申し出ると受け取ってくださいます。

1月15日のどんど焼きでお焚きあげをする神社が多いので、初詣の時になど15日までに納めるのが理想的です。

しかしその時期にいけなくても大丈夫です。1年中受け取ってくださるので、いけるときにお返ししましょう。

また、いただいたものや遠くで授与したものなどで、授与した神社やお寺にお返しできない場合は、近くの神社やお寺にお返ししても大丈夫です。ただし、

神社のものは神社に、お寺のものはお寺にお返しするようにしましょう。

子どもの初正月のお祝いに買ったガラスケースに入ったものは、購入した人形屋さんや近くのお寺や神社などに相談して、子どもの無事の成長を深く感謝して、丁寧に供養してあげてください。

まとめ

男の子の初めてのお正月に贈る「破魔弓・破魔矢」。破魔弓・破魔矢には「魔を破り、厄災を祓う(はらう)」「子どもが元気にたくましく育ちますように」「鬼門となるお正月を無事に通過できますように」という子どもの成長と幸せを祈る意味があります。

お正月の初詣で授与する破魔矢とは異なり、ケース入りのものを用意してあげましょう。

飾る時期は、

縁起の良くない大晦日に飾る「一夜飾り」や12/29に飾る「苦立て」は避けて、12月中旬ごろを目安として

初めてのお正月を迎える準備をしましょう。飾る際に方角は気にしなくても大丈夫です。

片付けは

小正月である1月中旬を目安にしましょう。

また、破魔弓・破魔矢は端午の節句や七五三などの時期にも飾ることができますので、子どもの成長とともに出してお祝いしてあげるのも良いですね。

子どもが無事に成長し大人になっても、実家に破魔弓・破魔矢が飾ってあったとしても問題はありません。

いつまで飾って良いという決まりはありませんので。一般的には成人するくらいまでのようですが、子を思う親の思いは永遠ですから、長く飾るのも良いと思います。

最近では破魔弓・破魔矢を飾る家も減っていて、これらは必ずなければならないものではありませんが、子どもの成長と幸せを祈り、お祝いしてあげられたら良いですね。

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