先日、洋食店で食事をしているとき、ちょっと気になることがありました。
隣の席から聞こえてきた『私、スープ飲みたい!!』という声を聞いて、なぜか少し違和感を覚えたのです。
そもそもスープって
『飲むの?』
『食べるの?』
疑問に思ったら解決しないと気がすまない性分の私!
恥ずかしながら聞いてみたのです。
そして、ライター魂に火が付き…(なんかちょっと意味が…)(笑)
それ以外にも2~3質問してみました。
結果:やはり『食べる』が正解だとわかりました。そんなきっかけから、一見簡単そうにみえるスープも、意外と奥深く、本当の食べ方を知らない人が多いことに気付き、洋食マナーを実践できている人でも、スープにおいてはマナー違反…。
そんな場面にもそれから何度となく遭遇し、とても残念に思いました。
そこで、洋食マナーでの意外な落とし穴、『スープの正しい食べ方』についてまとめてみることに!どうぞご覧ください。
正しいスープの食べ方
ポイントは『飲まない!』あくまで『食べる』を意識すること!と頭の中にインプットして、では早速、スープの正しい食べ方のマナーから参りましょう!!
スープの食べ方のマナー
【すくう方向】
いきなり真ん中にスプーンを入れるのではなく、お皿のふちあたりにスプーンを入れます。
実は、すくう方向にもマナーがあります。スープのすくう向きについては、次の2通りの方法があるといいます。
- 『手前から向こうへ』のイギリス式
- 『向こうから手前へ』のフランス式
日本で多く使用されているのはイギリス式、『手前から向こう』にすくうのが一般的です。
【すくう量】
ガッツリすくってしまうと、スプーンからポタポタとスープがこぼれてしまいますよね。
一度にすくう量は、スプーンの3分の2くらいの量がベストです。
控えめにすくったとしても、スプーンを持ち上げたとき、スプーンの裏についたスープが滴る可能性があります。
ここでワンポイント!
【口への運び方】
こぼさないように慎重に口元までスプーンを持っていき、スプーンの横の部分にそっと口をつけていただきます。
スープは『食べる』といいましたが、スープの場合、他の食べ物と違って、スプーンをまるまる口に入れて食べるのはNG。
また、スプーンの先端を口につける方法(フランス式の食べ方)は間違いではありませんが、手首をひねらなければなりません。
難易度が上がりこぼすリスクが高まるため、シンプルに横から口をつける方が、簡単で上手に食べられる方法といえそうです。
【残りわずかになったら…】
あと少し、となったらすくいにくいですよね。お皿の手前を少し持ち上げてお皿を傾けてすくいましょう。(フランス式なら、先の方を持ち上げます)
ここで注目したいのは、傾ける角度!あまり極端な傾け方はご法度ですよ。
スープを食べる時に気をつけたいNGマナー
スープの正しい食べ方をマスターしたところで、よくない食べ方についても確認してみませんか。
次のような所作はマナー違反なので要注意!
- 音をたてる・すする
- かき集める
- スプーンからスープをこぼす
- お皿を持ち上げる
- お皿に口を近づける
- フーフーする
お味噌汁やラーメン、うどんはすすって食べる印象が強いですが、スープはできるだけ音をたてずに食べるのがマナー。
姿勢よく!を心がけ、前かがみにならないような食べ方が理想的です。
取っ手がついたスープ皿の場合の食べ方
スプーンを使いお皿を持ち上げないで食べるのがスープのマナーと言いましたが、例外がひとつあります。
それは、『取ってのついたスープ皿(又はカップ)』で、このタイプなら持ち上げても問題ありません。
といっても、最初から取っ手をもって持ち上げるのではなく、できればスープが残り少なくなった時に、持ち上げるのが好ましい食べ方です。
◎スープカレーの食べ方は大丈夫ですか?
>>> スープカレーの食べ方はそれが正しいの?基本から応用までご紹介!
パイ皮がついたスープの食べ方
私の大好物♪、パイ生地の中の空洞部分にスープが入ったおしゃれなメニュー。
ケンタッキー・フライド・チキンが冬限定で販売している『ポットパイ』のような感じのものです。洋食店でも、このようなスープが出てくることがあります。
食べ方は次のようにどうぞ~。
- スプーンの向こうを使って、パイの真ん中をつついてパイに穴をあけます(ナイフやフォークがあれば切り込みを入れてもOK)。
- あけた穴の周りをちょっとずつ潰し(つぶし)ながらスープの中にパイを落とします
- 浸ったパイをスープと共にいただきます
※パイ皮は最後の最後まで食べる必要はありません。
器についたパイ皮は、無理やり全てをはがすのは至難の業、美味しいし全部食べたい気持ちはすごくわかるのですが、ある程度のところで残しておくがマナーなんだとか(笑)
◎いろんな食べることに関する情報まんさいです。
>>> 「食べる」一覧
スープを残したいときの合図は?
スープが飲みきれないときは、合図を出せばお店の人がお皿を下げてくれます。
合図はこうです。
スープの入ったお皿の下にはもうひとつお皿があり、この受け皿の手前側にスプーンを置きます。
直接店員さんに「さげて」というのもありなのですが、その際には、まず目で合図をして来てもらい、こっそり小声でお願いするようにしましょう。
スープを食べる際に欠かせないスプーンの使い方
では、ここからはスープを食べる際の必需品、スプーンにまつわるお話です。
スープを食べる際のスプーンの正しい持ち方
ナイフやフォークの場合は、人差し指を伸ばすなど特別な持ち方がありますが、スプーンは、鉛筆やペンと同じ持ち方が正しい持ち方です。利き手を使って、親指と人差し指で挟み、下から中指を軽く添えて安定させて使います。
途中でスプーンを置く場合には
途中でスプーンを置くときは、受け皿の先の方にスプーンを置きましょう。手前に置くと、食事終了~と勘違いされてしまう可能性があります。
また、危うくひっくり返してしまわないよう、スプーンをスープ皿につけたまま置いておくのもNGです。
食べ終わったら、どこに置く?
食べ終えたら、スープ皿の中にスプーンを入れ置きます。スプーンは、すくう方が上になるようにして、お皿に平行に置くもよし、少し持ち手を自分の方に傾けて置くとさらに完璧だといいます。
スプーンの背中を上にしておけば、『不味い(まずい)』という合図になってしまうため、置くときのスプーンの向きには十分ご注意くださいね。先ほど1章の最後にご紹介した、受け皿に置き『下げて!』の合図を出す方法、こちらもスープの食後のマナーとしては〇。
スープについての豆知識
スープはなぜ食べ物なの?!理由があります!
冒頭で少しふれましたが、スープは歴とした(れっきとした)『料理』なんです。その理由を知ればあなたも納得!!どうして食べ物なのかを徹底検証したいと思います。
日本語では一般的にスープは『飲む』と表現するのですが、これを英語にすると『eat soup』となり、『eat(食べる)』と表現されます。
そもそも西洋の表現方法では、スプーンなど食器を使う場合には『食べる』と表すのだそう。
また、スープはたとえ見た目で具が見当たらないとしても、食材の旨味、栄養が液体となってグッと詰まっているものです。
さらには、洋食店では料理は左側から、ドリンクは右側からテーブルに置かれますが、スープは左側から出てきます。このような理由から、スープは料理として提供される一品だといわれています。
スープをフーフーせずに冷ます方法
近頃は冷製スープも評判ですが、スープといえば熱いものが定番ですよね。
とはいえ、熱いのが苦手な猫舌の人には結構厄介、冷まさずには食べられません。でも、フーフーはNG…困りましたね~。
でもご心配なく~♪ちゃんと方法があります。
- お皿のスープをスプーンでかき混ぜて冷ます
- スプーンにすくってスープの表面あたりでちょっとキープさせて冷ます
といったスマートな方法。
せっかくフーフーせずに綺麗に冷ませたのに、こぼしてしまっては元も子もありませんので、冷ます場所はお皿の上にしましょうね。
最後にマナーの的を捉えたわかりやすい動画を見つけました。よかったらこちらも参考にしてみてくださいね。
まとめ
ここまで、スープの正しい食べ方についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
昔の人々が、より良い食べ方を研究し、改善を重ねて今のマナーに至る、という話を聞いたことがあります。
それぞれのマナーには、しっかりとした奥深い理由があって、単に『こうしなければいけない!』というものではなかったのです。
食事を存分に楽しむために、理解して実践できるようにと、この記事が少しでもあなたのお役に立てれば嬉しい限りです。