そんな私が主婦になってぶつかった壁は「じゃがいもの毒」でした。
結婚当初、主人に「じゃがいもに毒がある事を知っているのか?これじゃあ毒が取りきれていないぞ!」と叱られ詳しく調べた事があります。
新じゃがが出回るこの時期、そのことを思い出してしまいました。
じゃがいもの食中毒は、ほんの少しの知識があれば防げるものですし、市販されているものであれば、まず、大丈夫のようです。
詳しくは本文でご説明していますので、興味のある方、新人主婦さんやこれから料理を覚よう!という方のお役に立てれば嬉しいです。
じゃがいもの毒の症状など
じゃがいもの毒にはさまざまな症状があります。
- 吐き気
- 下痢
- 嘔吐
- 脱力感
- 頭痛
- 腹痛
- 呼吸困難
- めまい
この中でも・吐き気・嘔吐・下痢・頭痛の4つの症状が多く出ると言われています。
重症化する場合もありますので、体調不良を感じたらすぐに医療機関に行く事をおすすめします。
特に、幼児は重篤化する危険性が高いので、子供に与えるときには特に注意する必要があります。
では、じゃがいもに含まれる毒について、次の4つの項目にそって説明していきます。
- じゃがいもの毒が潜んでいる場所
- じゃがいもに潜む毒
- 毒を取り除く方法・見分け方
- 毒の問題となる摂取量
【じゃがいもの毒が潜んでいる場所】
- 芽
- 皮
芽は有名ですが、皮にも毒が潜んでいる事を知らない方が多いようです。
【じゃがいもに潜む毒】
じゃがいもに潜む一般的な毒は2種類になります。
- ソラニン
- チャコニン
じゃがいもの毒で死んでしまうのか? 大丈夫です。
じゃがいもの毒が体に入ってしまった場合、相当な量のじゃがいもを食べない限り『死』に至る事はありません。(でも、皆無ではありませんが・・・。)
ソラニン、チャコニン以外にもじゃがいもには隠された毒があります。
ソラニン、チャコニン以外
じゃがいもを冷蔵庫で保存し、揚げたり焼いたりすると『アクリルアミド』という発がん性を持つ化学物質が増える可能性があると言われています。
アクリルアミドに関しては、高温になる揚げ物などで増えると言われており、冷蔵保存をしただけで増える物質ではありません。
その他に土に含まれる『ウェルシュ菌』です。
直接じゃがいもに含まれる訳ではなく、土の中に潜んでいます。
ウェルシュ菌への対策は、慎重に水洗いする事です。
皮つきのままじゃがいもを食べる場合は入念に洗ってから調理しましょう。
菌や毒は加熱をすれば無くなるイメージがあるかと思いますが、ウェルシュ菌は熱に非常に強い特性があるので、必ずしっかりじゃがいもを洗って下さい。
【毒を取り除く方法・見分け方】
毒が潜んでいる場所と、毒について理解した後は、その毒をどう処理すれば良いか?という点ですよね。
まずは、皮に付いている土をしっかり落とします。
落とす時は、素手ではなく古くなった歯磨きや亀の子たわしなど100円均一に売っている物で十分ですので、綺麗に土汚れを落とすようにしましょう。
その後に
-
- 芽は根元からしっかりと取りきる
- 皮は深めに剥く(1mm)
良い動画がありましたのでご紹介します。
ジャガイモの芽を取る
保存方法や、保存期間により、芽の成長や皮の色の変化は異なりますので、しっかり自分の目で確かめることが重要です。
皮に毒があるかどうかの判断はまず色で判断出来ます。
じゃがいもの皮が『緑色』になっていたら危険です。
その場合、皮を剥く時に深めに剥く事で毒は排除出来ます。
また、芽・皮以外に、じゃがいもに傷がある場合や、小さく未熟なじゃがいも、じゃがいもが収穫されるまでに、土をかぶらず光をたくさん吸収したじゃがいもは毒が潜んでいる危険があります。
じゃがいもの毒を取り除く調理器具は?
やはり皮を剥くにはピーラーが1番簡単ですね!
芽を取り除く場合は包丁の角に部分でも簡単に取れますし、ピーラーの芽取りの部分を使うのも簡単に取れます。
【問題となる毒の摂取量】
食中毒を引き起こすじゃがいもの摂取量は1.3㎏~3.3㎏と言われています。
また子供はこの数値の10分の1程度で食中毒を引き起こす可能性があるので、子供が食べると分かっている場合は、よりしっかりと皮を剥く事、芽を取る事を必ず行って下さい。
ここまでの説明を読んでみると、じゃがいもを食べる事が少し怖くなってしまいますが、
市販のじゃがいもでは、まず食中毒を引き起こす事は無いといわれています。
極端に食べ過ぎる事をせず、じゃがいもを早めに食べる事で食中毒は防げるので安心して下さいね。
【じゃがいもの毒の潜伏期間・回復期間】
ソラニンやチャコンの潜伏期間は20分~24時間です。
主な症状は腹痛・下痢・頭痛・嘔吐です。
その中でも下痢は1週間ほど続く場合もあります。
先ほどお伝えしたウェルシュ菌の潜伏期間が6時間~18時間で、回復に1日~2日かかります。
またじゃがいもの食中毒は、特効薬はありません。
対処療法になるので、下痢や嘔吐などで毒素を体の外に出すしかないのです。
ですが、食中毒かも?体がつらい…と思った場合はすぐに医療機関に行きましょう。
その他お役立ち情報
ここでは、じゃがいもに対するお役立ち情報をお伝えします。
【じゃがいもの保存方法】
- 常温保存が最適
- りんごと一緒に保存
じゃがいもの保存には、常温保存が1番適しています。
じゃがいもは新聞紙などに包み冷暗所で保存し、直射日光は必ず避けて下さい。
新聞紙に包む際は、出来る限り1つひとつ包み、湿気の少ない所で保存をします。
包んでいる新聞紙が湿気っぽくなってきたら交換をして下さい。
また、じゃがいもに土が付いている場合は土を取れる限り取ってから新聞紙にくるみます。
土が付いていると湿気を呼び込む原因・菌繁殖の原因にもなってしまいます。
また冷蔵庫での保管はあまりおすすめ出来ません。
先ほど『アクリルアミド』について簡単にお話ししましたが、冷蔵庫で保存をした後、高温で調理をすると発生する可能性の上がる発がん性物質です。
その他にじゃがいもの芽を出にくくするために、じゃがいもを保存する時に
リンゴと一緒に保存すると芽が出にくくなります。
リンゴは、エチレンガスを放出してくれるので、じゃがいもの発芽を押さえる作用があり、また、エチレンガスの放出量はりんごの香りの強さでわかります。
りんごは食べるわけではありませんので、安い特売品で十分ですよ。
じゃがいもの芽が出る条件は…
『温度が15度前後で、湿度が高い場所』です。
この条件を守っても、長期保管は芽を出す可能性がありますので、保管している間は時折じゃがいもの様子を見て、早めに使い切りましょう。
しっかり冷暗所で保存をし、美味しくじゃがいもを食べたいですね。
【食中毒の発生状況】
じゃがいもによる食中毒のほとんどが、家庭菜園で育てたじゃがいもや、学校などで育てたじゃがいもなのです。
1998年以降、じゃがいもの食中毒の報告では、市販のじゃがいもでは1件も無く、全てが小学校・幼稚園で育てたじゃがいもです。
考えられる理由は
- 未熟な状態で採ってしまう
- 土がかぶっておらず、日光が当たった状態で育てられている
- 収穫した物を皮つきで食べる
- 収穫の時にじゃがいもに傷がついてしまう
- じゃがいもを収穫した後に乾燥をさせるのに日光に当ててしまう
などいくつかの原因が考えられます。
市販のじゃがいもで食中毒の報告が無いのは少し安心出来ますね。
家庭菜園や学校で育てたじゃがいもを食べる際は、しっかりと芽を取り、緑の皮は1mm以上の深さで皮を剥いて食べましょう。
【その他】
じゃがいもには毒があるがさつまいもは大丈夫?
→大丈夫です!
同じ芋ですが、じゃがいもはナス科・さつまいもはヒルガオ科なので、同じ芽に感じますが、さつまいも芽は安全で毒が発生する事はありません。
◎ 同じように毒素に注意なのが銀杏です。
>>> 銀杏の美味しい食べ方は電子レンジで失敗なし!超簡単な方法をご紹介
まとめ
じゃがいもは、どこの家庭にでも常備してある野菜の1つですよね。
ですがそんな身近な食材に毒が入っているかと思うと少し怖い気がしてしまいますが、市販品での食中毒は出ていないようですし、要点を押さえていれば何の問題もありません。
そしてじゃがいもにはたくさんの栄養素が入っているので、子供にも美味しく食べてもらいたいですよね。
今回は身近な食材『じゃがいも』に危険な毒についてご説明させて頂きました。
参考にして頂けたら幸いです。