私が小学生の頃は、給食の時間に先生から
「好きなものを先に食べたり、後に残したりしないで全てのお皿を順番に三角食べするように」と言われていました。
学校給食センターで勤務しているママ友にも聞いてみたのですが、学校で「三角食べ」というワードを聞いたことがないそうです。
かつては推奨されていた三角食べですが、今は死語になってしまったのでしょうか?
今の小学生には馴染みのない三角食べのことが気になり調べてみました。
以前推奨されていた三角食べはどうなっているの?
まず、以前推奨されていた三角食べとはどのようなものかをもう一度確認してみましょう?
「三角食べ」とは
和食は通常、主菜・副菜・汁物・ごはんという組み合わせで食べる事が多く、この1つずつを順番にまんべんなく食べ進んでいく食べ方を三角食べと言います。
三角食べのメリット、デメリット
メリット
三角食べのメリットは順番にバランスよく食べていくため、
満腹になり全て食べきる事ができず残してしまっても、ある程度バランスよく栄養素が摂れているということです。
1つのものばかり食べる食べ方は、満腹になった時に必要な栄養素が殆ど摂れないまま食事を終えることになってしまうかもしれません。大切な栄養素をまんべんなく摂るという点が三角食べのメリットなんですね。
デメリット
一方デメリットは、汁物をご飯やおかずの間に挟むため水分で食べ物を胃に流し込んでしまう可能性が高くなり、噛むことをしなくなってしまうの事があげられるでしょう。
しっかり噛んで食べる事は健康への第一歩です。
しっかり噛むことで唾液の分泌が良くなり消化を促進し、また満腹感を得る事ができるため、食べ過ぎを防げます。
本当に三角食べが良いのか
今の小学校では三角食べは推奨されていません。
そこからもわかるように三角食べが他の食べ方よりも優れているのかというとそうは言い切れないようです。
どんな食べ方であれ、きちんと栄養が考えられた食事を一食全て食べる事ができればしっかりと栄養は摂れています。
また、三角食べをすることで学校給食の場合は牛乳とおかず、牛乳とごはん、などを一緒に食べる事になってしまい味同士の相性が合わない事も・・・
楽しいはずの給食が辛いものになっては本末転倒です。
ご飯に合うおかずとなると、どうしても味が濃くなり塩分摂り過ぎの懸念もあります。このようは理由から今は三角食べを推奨する時代ではないようです。
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三角食べは日本だけ
例えば、イタリアのピザやパスタ、アメリカのハンバーガー、中華の大皿料理などは1種類をある程度食べ、それから他の料理を食べる事になります。
日本の定食のように一口ずつ順番に食べるという日本の三角食べは
「口内調味」とよばれており、2つ以上の味を一緒に味わう事でより一層味に深みとうまみが出るという食べ方で日本特有の食文化と言われています。
この口内調味は白いご飯に塩分が強めの主菜やお漬物などを一緒に食べる事で塩分の強さが調和され、また自分の好みに調節できるという利点があり日本人であれば普通の食べ方ですね。
しかし2つ以上の味を口の中で合わさない食習慣のある外国人にはやはり抵抗があるようです。
外国人は三角食べができない
この和食特有の食べ方ですが外国人はどのように感じているのでしょうか?
そもそも日本の食事のように主食である炭水化物を味付けせず、味の濃い他のおかずと一緒に口内調味で食べるという習慣が外国にはありません。
イタリア料理もフランス料理も中華料理もインドネシア料理も全てそれぞれ、主食である炭水化物も調理し、調味されていてそれ1品で食べられるものばかり。
そのためわざわざ1品で食べられるように味付けしている料理を2つ以上一緒に口に入れようとはしないですよね。
外国人は一緒に口に入れる、という概念がありません。
食べ物が口にある状態でまた口を開けて別の物を入れるためマナー的に見ても不快に感じる外国人は多いようで、日本で定食を食べる外国人を見たことがありますが、一品ずつ食べ、ご飯に例えばお醤油をかけたり、お塩をかけたりと味を付けて食べてらっしゃいました。やはり白米との口内調味は苦手なようです。
三角食べはなくなる!?
働くお母さんが増え、夕飯を作るのに時間がかけられないため家庭での食事が定食型からカレーやどんぶりの一皿完結型に変わってきているほか、健康志向で薄味の家庭も多く、白いご飯との口内調味が不要になりつつあり、かつては推奨された三角食べは今や消え去ろうとしています。
子どもの頃に学校で指導され、三角食べが抜けない40・50代の方は多いようですが残念ながら次の世代に受け継がれることはなさそうです。
今、食べ方のトレンド
では三角食べが衰退していく中、今どのような食べ方がトレンドなのでしょうか?会社の健康診断でもメタボ検診が導入されていますよね?そうなると太らない食べ方というのが一番気になります。
太らない食べ方=血糖値を急激に上げない食べ方というのが今のトレンド!
血糖値が高い状態とは血液中のブドウ糖量が多くなっている状態です。
体が処理しきれなくなった糖分は体内に脂肪となって溜まっていくので糖質オフダイエットが有効なのですね。そこで血糖値が上がりにくい順番で食べる、というのが太りにくいのです。
食べ方の順番
- 野菜類
- 肉や魚のたんぱく質
- ご飯やパンなどの炭水化物
の順で食べると太りにくくなります。
まず、糖の消化や吸収のスピードを遅らせる効果のある食物繊維が豊富な野菜類から食べます。そのあとお肉やお魚を食べ、最後に一番血糖値が上がる炭水化物の順に食べれば急な血糖値の上昇を防ぎ、脂肪が溜まるのも防げます。
また脳は食事を始めてから20分経たないと満腹と感じないのでゆっくり食べるのが太りにくい食べ方。急いで食べると太りやすくなってしまうので気を付けたいですね。
太らない食べ方だけではなく、老けない食べ方というのもあるようです。
ぜひ知りたいところですよね。
老けない食べ方
これは簡単。昔から言われている「腹八分目」にするのです。
現代人は過食ぎみで食べ過ぎの人が多くなる傾向にあります。食べ過ぎの状態が続くと体は消化・吸収を一生懸命長時間しなくてならず体への負担が大きくなります。
体の負担を減らし細胞が軽々と動きやすい状態を作ってあげると細胞が生き生きします。
また腹八分目以外によく噛む、というのも大切です。よく噛むことで消化を助け、これもまた体の負担を減らします。
野菜を意識して摂る、旬の物を食べる、加工品は避けるなど普段の食事をより健康的なものにし、よく噛んで腹八分目にすれば老化の加速は防げます。
簡単なのでぜひトライしたいですね!
次は、記事を書きながら、パッと思いついたことです。何の脈略もありません。(笑)
番外編三角つながり! 「三角チョコパイ」の食べ方
三角食べ、ならぬ三角なもの食べでなかなか難しいのが三角チョコパイ!
ホワイトやキャラメルなどフレーバーも増えてきていて好きな方も多いのでは?
ただパイという性質上どうしてもポロポロとこぼれたり、中からチョコが出てきたり、と食べづらいですよね。
どうすればきれいに食べられるかやってみました。
- 箱から出さない(出すとパイ生地やチョコがこぼれる確率が高くなる)
- 箱を開けた上の角から食べていく(角度の小さな角から食べた方が食べやすい)
- チョコがこぼれ出ないように少しチョコを吸うようにして食べる(中央部分に差し掛かるとたっぷり入っているチョコが溢れ出てパイ生地も破れやすくなるのでチョコを溢れさせないように先に口に入れてしまう)
- パイの部分は一口を少し小さめにとる(大きな一口はパイ生地がより一層破れてこぼれる)
といったところでしょうか。
それでもやはりトレーを見るとパイ生地がポロポロと落ちてしまっていますが、最小限にとどめられる事間違いなしです。
でも、とっても美味しい三角チョコパイ、トレーの上で落とすのを気にしないで食べるのが一番美味しいかもしれませんね。
まとめ
1970~1980年代に推奨されていた三角食べはバランスよく食べられるというメリットはあるものの、汁物と一緒におかずやご飯を口にするため流し込んでしまう可能性が高く、噛むことがおろそかになってしまうため今の小学校では推奨されていません。
また日本の食文化である「口内調味」は味の濃いものとご飯の組み合わせで食べるのが基本ですが、健康志向の現代では濃い味は敬遠されがちで今の食生活に合う文化ではなくなってきています。
食事の際はまず野菜から、次にお肉やお魚、そして最後にご飯などの炭水化物の順で食べるのが太りにくい、血糖値を急激に上げない食べ方です。
定食の1品1品を順番に回るように食べる三角食べが良いと言われていたのは20年以上前の話。確かに1つの物しか食べないというのはよくありませんが、出されたものを残さず食べる事ができれば栄養はしっかりと摂る事ができます。
いつの時代も野菜をしっかりと摂り、ゆっくり時間をかけて噛む回数を増やし、腹八分目を心がけて食べるのが一番体に良いようですね!