ちょっと贅沢な気分にさせてくれる、そんなスペシャルメニューって誰しもありますよね。
すき焼きを嫌いという人はなかなかいなくて、子供からお年寄りまで、みーんな大好きな気がしませんか。甘辛いお肉の香り~想像するだけでもよだれがこぼれてしまいそうです。
ところですき焼きには、関東風と関西風があるのをご存じでしょうか。
私は関西の人間ですが、お友達のお家で食べた関西風すき焼の美味しさに衝撃を受けました。と同時に、私がずっと食べていたのはどうやら関東風だったと知ることになったのです。
もうそれから、関西風すき焼きの美味しさのとりこになりました。我が家でも、最近は毎回関西風を採用!自分でも調べたり工夫したりして、関西風すき焼きを楽しんでいます。
今日、このブログに来てくれたあなたに!関西風すき焼きの魅力をご紹介したいと思います。関東風との違いや、作り方、また食べ方のマナーに至るまで、ドドーンと一気に紹介します!どうぞご覧ください。
関西風すき焼き
関西風すき焼きの特徴
関西風すき焼きとは、まず牛脂などでお肉を焼いて、そこにそのまま砂糖と醤油で味付けをしていただくすき焼きです。
多くの人に馴染みの深いのは、あらかじめ用意した割り下(だし汁、しょうゆ、みりんなどを合わせたもの)で具材を煮込む関東風ではないでしょうか。
関西風は、最初にお肉を焼いていることから、お肉のうまみがしっかり詰まったジューシーな味が楽しめるのが魅力です。だしの味も関東風より濃厚で、おだしが減ってきてはまた砂糖と醤油で直接味付けしていくため、その都度お好みの味に調整できるのも特徴といえるでしょう。
具材を入れる順番
関東風の場合は一気に具材を煮込みますが、関西風は具材の入れ方にもこだわりがあります。
- 最初にお肉を広げて焼いていきます。
- お肉に焼き色が付いたら、砂糖と醤油で味付けする!のですが、
- 白ネギを入れる場合には、できれば味付け前にお肉と一緒に焼いておきましょう。そうすることで白ネギがより香ばしく、お鍋自体もネギの風味が広がり美味しく仕上がります。
- 味付けはまずは砂糖から!
- お料理の基本『さ・し・す・せ・そ』(砂糖→塩→酢→醤油→味噌)の順番通りですね~! そして、一息ついてから
- 醤油で味付けしたら
- 水分を多く含む野菜(白菜など)を優先に投入していきます。
- 他の野菜はその後順に入れていき、続いて豆腐や白滝、麩などを入れて
- 最後に残りのお肉で出来上がり。
- 全部煮えるまで待つのではなく、煮えたものからどんどん溶き卵につけて召し上がって下さいませ~!
関西風のすき焼きに欠かせない具材
ご存じの通り、関西人はこだわり深いので、欠かせない具材にもご注目ください。
■白菜
白菜には多くの水分が含まれています。白菜は、関西風すき焼きになくてはならない具材といえるでしょう。砂糖と醤油のみだと、どうしてもこってりしすぎてしまいますよね。
そこで白菜が絶妙な水分量を提供してくれるといいます。なので、関東風の具材では、白菜はなかなか使われないそうですよ。
■牛肉
すき焼きといえば牛肉!なんといってもこれがメインなのですが、関西以外では鶏肉や豚肉を使用する地域が多いようで、実は私も今まではずっと鶏肉を入れていました。
ところが、関西風では牛肉オンリー、他のお肉は入れないのが定説なんだとか。さすが関西!と関西人の我ながら、このこだわりを知って誇らしい気分にさせられました!
この他に私が欠かせない具材もご紹介しちゃいますね。それは、「玉ねぎ」です。玉ねぎも沢山水分が出て、関西風にはピッタリの具材です。しかも、お肉+玉ねぎのメニューって多くありませんか? ということでお肉との相性もバツグンです。
関西風すき焼きを美味しく作るコツ
お肉を焼くのが、一番目の工程なのですが、その際の油に美味しく仕上げるコツがあります。あれば、ぜひ
牛脂を使ってみてくださいね!!
うまみとコクに加えて甘みアップ、香りの良いお肉が味わえます。関西風は関東風に比べ濃厚なので、煮込みすぎには注意したいです。
コテコテになってしまっては、せっかくのすき焼きが楽しめません。そんなときには、水分の多いお野菜をいれたり、水やお酒を入れたりと、少し水分を調整するようにしてみてください。
水分が多すぎて味が薄いと感じたら、砂糖と醤油を再度いれて整えましょう。これを繰り返せば、何度でも美味しいすき焼きが復活しますよ!
すき焼きを食べる際のマナー
美味しく、そしてみんなで楽しく!すき焼きにまつわるマナーについても調べてみましたので、よかったら参考にしてみて下さいね。
みんなで食べる際のマナー
■逆さ箸にするのはマナー違反
衛生面を考えて、お鍋に自分のお箸をそのままつけるのはよくないですよね。そこで、よくみかけるのが逆さ箸だと思うのですが、よくよく考えてみると、これもまた衛生的にいかがなものでしょうか。
直接手で握っている部分で、取り分けることになりますので、取り分ける専用のお箸を用意するのが一番よいマナーでしょう!
■基本的には自分の分は自分で取り分ける
私もそうだったのですが、良かれと思って人の分を取り分ける人っていますよね。これもまたよろしくない行為のようです。
食べたいもの、食べたいタイミング、好ましい火の通り具合など人それぞれです。お鍋料理のマナーとしては、「自分の分は自分で!」を心がけるようにしましょう。
といっても、お子さんや高齢者の方は自分で取れないし、または危ないと感じる場面もありますよね。その際は臨機応変に、その人と会話をしながら取り分けてあげましょうね。
■肉だけ食べるはマナー違反
すき焼きのメインはお肉ですが、だからといってお肉ばっかり食べるのはよくないです。できれば美味しいお肉と一緒に、お野菜もバランスよくいただきましょう。
肉汁たっぷりのおだしがしみ込んで、お野菜も、お豆腐や麩も、どれも絶品ですよ。
白滝とお肉をどうしても隣同士にするのはマナー違反?
白滝とお肉、隣に煮るとお肉がかたくなる!おばあちゃんがよく言っていました。
どうやらこれには諸説あるみたいですが、私の調べた限りでは間違いだと思います。なんでも「日本こんにゃく協会」が検証した結果、
白滝があろうがなかろうがお肉の硬さはかわらなかった
のだとか。逆に、白滝をお肉の近くにおけば旨味をグングン吸収し、とっても美味しくなるらしいですよ。そうはいっても『隣にしない説』を信じる人も多くいますから、そのあたりも考慮して、離して入れた方が無難なのかもしれませんね。
また、私は白滝を料理に入れる際には、サッと湯がいてアクを取るようにしています。
卵をつけないのは、マナー違反?
■卵がセットになっている理由
そもそも、すき焼きに生卵をつけるのはどうしてなのでしょうか。その理由は次の4つです。
- 熱いお肉の火傷防止
- お肉の臭みを消す効果
- もともと卵でとじていた名残りからの時短目的
- 高級感を出す手段として
なるほど!!卵は栄養価も高いし、どれも納得できる列記とした理由ですね。でも、絶対につけなきゃいけないわけではなさそうなので、苦手な人はなしでもOKです。
■生卵が苦手なら、シメで使うという手も!
卵は大丈夫、でも「生卵がダメ!」って人も多いです。そんなときには、卵をつける理由のひとつにあるように、シメで使うのもありです。
私はすき焼きを翌日に少し残しておいて、卵を割り入れ半熟くらいに煮詰めてお弁当に入れています。鍋のシメや次の日には、さらに味が濃くなるので、卵がいい感じに調和させてくれます。
すき焼きの歴史
すき焼きの語源は、農具の一種である『鋤(すき)』を使って、食べ物を焼いて食べたことに由来しています。
ちょっと恥ずかしいのですが、私はてっきり『好き』だと思っていて、みんなが好きだからすき焼き!なんて思いこんでいました。(笑)ちゃんとした理由があってよかったです。
そして、すき焼きが食べられるようになった歴史は、江戸時代の幕末にさかのぼり、食肉文化の伝来がきっかけといわれています。
関西地方では京都を発祥に、今でいう関西風『すき焼き』が誕生する一方、明治初期からは関東地方で「牛鍋」が主流に!
肉食の解禁とともに明治天皇自ら食し、みるみるうちに大流行に至ったといわれています。
明治から解禁なのに、どうしてそれ以前に誕生したのか?というと、ここだけの話ですよ、貧しい人たちが隠れて食べていた!?という説もあります。いや~ほんと肉食解禁してよかったですよ!
まとめ
関西風すき焼きや、すき焼きに関するお話、いかがでしたでしょうか。
意外に浅い歴史の中で、今ここまで私たちを魅了するすき焼き、知れば知るほど食べたくなります。
そして、関西風すき焼きを食べたことがない!という方は、必ず一度はご賞味いただきたい!と思います。食卓がパッと華やぐ、風味豊かで上品な日本の伝統料理。
お肉の甘辛い香ばしい香りに包まれて、幸せなひとときを過ごせる贅沢な時間をぜひ味わってみてくださいね。